
Excelの共有設定方法を教えて。昔使ってた共有設定のメニューが無くなってるんだが…



こういった疑問に答えます。
Excelでファイルを共有するとき、どの共有方法を選ぶべきか迷ったことはありませんか?
特に、Excelの新しい共有(共同編集)と従来のレガシー共有にはそれぞれ特徴があり、使い方によっては作業効率に大きな違いが出ることがあります。
本記事では、新しい共有と従来の共有の違いをわかりやすく比較し、それぞれの設定方法やメリット・デメリットを詳しく解説します。
さらに、あなたに合った最適な共有方法の選び方や、設定する際の注意点についても紹介します。
この記事を読めば、Excelの共有設定の悩みが解決し、よりスムーズな業務の進め方が見つかるでしょう。
エクセルの共有機能とは?新旧の違いを徹底解説
① Excelの新しい共有(共同編集)とは
Excelの新しい共有機能は、「共同編集」とも呼ばれ、複数のユーザーが同時に同じファイルを編集できる機能です。これにより、リアルタイムでのコラボレーションが可能となり、チームでの作業効率が大幅に向上します。
共同編集では、OneDriveやSharePointに保存されたファイルを介して行われ、常に最新の状態が保たれます。これにより、メールでのファイルのやり取りやバージョン管理の煩雑さを解消できます。
また、新しい共有では、ユーザーごとのアクセス権限の設定が簡単で、閲覧のみや編集権限を細かく調整できるのも大きな特徴です。
② 従来のレガシー共有とは
従来の「レガシー共有」機能は、Excelの古いバージョンで使われていた共有方法です。
この機能は、一つのExcelファイルを複数のユーザーが使えるようにするもので、主に社内ネットワークやローカルドライブに保存されたファイルで使われます。
レガシー共有は、一度に一人しか編集できない、編集の衝突が発生する、バージョン管理が複雑になるなどのデメリットがあります。
そのため、新しい共同編集と比べると利便性に欠ける部分がありますが、インターネット環境がなくても使える点ではまだ利用されることもあります。
③ 新旧共有機能の違いを比較
新しい共有と従来のレガシー共有の最大の違いは、「同時に複数人が編集できるかどうか」です。新しい共有ではリアルタイムでの共同編集が可能ですが、レガシー共有では編集の順番待ちが発生します。
また、新しい共有ではファイルのバージョン管理が自動で行われ、誰がどの部分を編集したのかも把握しやすいのが利点です。
一方、レガシー共有は古い操作方法に慣れている人には使いやすい反面、セキュリティリスクが高い点に注意が必要です。
④ 新旧共有機能の比較表
新しい共有 (共同編集) | 古い共有 (レガシー共有) | |
---|---|---|
ファイル保存場所 | OneDrive | 共有フォルダ |
変更の反映タイミング | 即時 | 保存時 |
マクロの編集 | 不可 | 不可 |
マクロの実行 | 不可 (アプリで開けば可能) | 可能 |
Excelの新しい共有(共同編集)の設定方法
① 新しい共有のメリットとデメリット
新しい共有の最大のメリットは、リアルタイムで複数人が同時に編集できる点です。これにより、会議中にその場で資料を修正したり、リモートワークでもチームがスムーズに作業を進めることができます。
さらに、ファイルが常に最新の状態に保たれ、変更履歴も自動で記録されるため、誤操作があっても安心です。
ただし、新しい共有を利用するにはインターネット接続が必須であり、オフライン環境では利用できない点がデメリットです。
また、データの同期に時間がかかる場合があるため、編集内容が反映されるまでのタイムラグが発生することがあります。
デメリットについては以下の記事も参考にどうぞ。


② 共同編集を始めるための設定手順
共同編集を始めるためには、まずファイルをOneDriveまたはSharePointに保存する必要があります。その後、「共有」ボタンをクリックし、共有する相手のメールアドレスを入力します。
手順としては以下でもOKでして、エクセルの右上にある「共有」をクリックします。


次に以下の画面で保存先としてOneDriveを指定します。


相手にはアクセスリンクが送信され、指定された権限に応じてファイルの閲覧または編集が可能になります。アクセス権限の設定は、「閲覧のみ」「編集可能」などのオプションから選択でき、後から変更することも可能です。
また、アクセス期限の設定もできるため、セキュリティ対策として有効です。
③ アクセス許可の設定方法とポイント
アクセス許可は、共有時に適切に設定することが重要です。共有相手に編集権限を与える場合は、必要最低限のアクセス権を付与することがセキュリティを保つポイントです。
特に外部のパートナーや顧客と共有する際は、編集権限を制限し、閲覧のみの設定にすることで誤操作やデータ漏えいのリスクを減らせます。また、ファイルのリンク設定で「リンクの使用期限」を設定することも推奨されます。
④ 共同編集のトラブルと対処法
共同編集では、時折同期の遅れや変更が反映されないなどのトラブルが発生することがあります。こうした場合、まずはインターネット接続の確認と、OneDriveやSharePointのサーバー状況をチェックしましょう。
また、編集中のユーザーがファイルを閉じてから再度開くことで、問題が解決するケースもあります。トラブルが続く場合は、各ユーザーのOfficeソフトが最新バージョンであるかどうかの確認も重要です。
従来のレガシー共有の設定方法
① レガシー共有のメリットとデメリット
レガシー共有のメリットは、インターネット接続がなくても使えることです。ネットワークに接続されていない環境でも社内でファイルを共有できるため、オフライン作業が多い業務に向いています。
ただし、複数人で同時に編集できない、編集の競合が起きやすい、セキュリティリスクが高いなどのデメリットもあります。特に、ファイルが古いバージョンに戻ってしまうなどのトラブルも頻繁に発生します。
デメリットについては以下の記事も参考にどうぞ。


② レガシー共有を有効にする手順
レガシー共有の設定手順を紹介します。
Excel2016から新たな共有である「共同編集」が出現したことに伴い、「レガシー共有」ボタンはリボンの初期設定から消えてしまいました。
そのため、レガシー共有を使用するためには、まず、レガシー共有ボタンを表示する必要があります。
まずエクセル上部のメニューから「ファイル」をクリックします。


左メニューにある「その他」>「オプション」をクリックします。


以下の画面で①〜③の設定をします。


以下の画面で①〜④の設定をします。


すると、下図のように「ブックの保護と共有(レガシ)」というボタンが追加されます。


共有する場合は、上記の「ブックの保護と共有(レガシ)」ボタンをクリックします。
すると、確認画面が表示されるので「共有する」にチェックをつけて「OK」をクリックします。


共有設定は以上で完了。
すると、一旦自動的に上書き保存され、ブックのタイトルバーに(共有)と表示されます。
これで、他のパソコンからも同時に編集できるようになります。
③ レガシー共有を解除する方法
レガシー共有を解除する方法は、共有されているファイルを開き、校閲タブにある「ブックの共有を解除」というボタンを押すだけです。
注意点としては、他の編集者が内容を上書き保存したのを確認してから解除するようにしましょう。
そうしないと、他の方の編集内容を反映できなくなってしまいます。
④ ファイルのパスワード設定と注意点
レガシー共有を行う場合、ファイルにパスワードを設定してセキュリティを高めることが推奨されます。パスワードを設定することで、編集や閲覧が許可されたユーザーのみがアクセスできます。
ただし、パスワードは忘れないように安全な場所に保管しておく必要があります。また、パスワードを共有する際には安全な方法を選び、不特定多数に公開しないよう注意しましょう。
⑤ レガシー共有のよくある問題と解決策
レガシー共有では、「ファイルがロックされていて編集できない」「他のユーザーの変更内容が反映されない」といった問題がよく発生します。これらの問題は、ファイルの再起動や、一時的に共有を解除してから再設定することで解決することが多いです。
また、ファイルを共有する場所を変更する、特にネットワークドライブの設定を見直すことで安定する場合もあります。
新しい共有と従来の共有のどちらを選ぶべきか?
① 共有方法の選び方ガイド
新しい共有と従来の共有を選ぶ際には、使用するシーンや環境を考慮することが重要です。リアルタイムでの共同作業が求められる場合は、新しい共有が適しています。
一方、オフライン環境やインターネット接続に依存しない運用を求める場合は、レガシー共有を選ぶのも一つの手です。特に、社内の閉鎖的なネットワークで作業する場合はレガシー共有が有効です。
② 使い分けのポイントと具体例
具体的な使い分けとして、新しい共有はリモートワークや部門を超えたコラボレーションに向いています。プロジェクト単位で進行する場合や、頻繁にフィードバックが必要な資料の作成に最適です。
一方、レガシー共有は、決まった場所での作業が多く、ネットワークの変更や複雑な設定が必要ない社内用ファイルの管理に適しています。部内資料や一時的なデータ共有に使用するケースが多いです。
③ セキュリティ面での比較
セキュリティ面では、新しい共有が優れています。アクセス権限の細かい設定が可能で、ファイルがOneDriveやSharePointに保存されるため、データの保護がしっかりされています。
一方、レガシー共有はネットワーク上でのセキュリティ対策が求められ、パスワード設定や暗号化が必須です。データの流出リスクも高いため、運用には細心の注意が必要です。
④ 実際の利用シーンでのおすすめ設定
新しい共有は、特に頻繁なコミュニケーションやフィードバックが必要なプロジェクトで効果を発揮します。プロジェクトの進行状況をリアルタイムで把握でき、迅速な意思決定が可能です。
逆に、レガシー共有は固定メンバーでの定期的なファイル更新に最適で、インターネットに依存しない安定した運用が求められる場面で重宝されます。
共有設定を行う際の注意点とベストプラクティス
① 共有時のセキュリティリスクと対策
共有時には、意図しないユーザーにファイルが見られるリスクがあります。アクセス権限の設定を定期的に確認し、不要なユーザーを削除することが重要です。
さらに、共有リンクの利用期限を設定する、閲覧のみのアクセスをデフォルトにするなど、対策を講じてセキュリティを強化しましょう。データの取り扱いに敏感な情報は、二段階認証を導入することも推奨されます。
② 効率的な共有のための事前準備
効率的な共有を実現するためには、共有前にファイルの整備を行いましょう。不要なシートやデータを削除し、ファイルサイズを最適化することで、共有時のトラブルを未然に防げます。
また、あらかじめコメントやメモを活用して、他のユーザーがスムーズに作業を引き継げるように工夫しましょう。視覚的な整理を意識することも重要です。
③ 共有リンクの管理方法
共有リンクは必要に応じて発行し、使わなくなったリンクはすぐに無効化することが推奨されます。リンクの管理がずさんだと、意図しない情報漏えいの原因になります。
リンクの期限設定やパスワード保護も忘れずに行い、共有相手には定期的にリンクの利用状況を確認するよう促しましょう。
④ 設定後の確認事項
共有設定後は、アクセス状況を確認し、不正アクセスがないかチェックすることが大切です。特に、共有範囲が広がりすぎていないかを定期的に見直しましょう。
また、ファイルのバージョン管理や編集履歴を定期的に確認し、問題が発生していないかをチェックする習慣をつけると、より安全で効率的な運用が可能になります。
まとめ|エクセルの共有設定方法の比較
- Excelの新しい共有(共同編集)は、複数人が同時に編集できるため、リアルタイムでのコラボレーションが可能です。
- 従来のレガシー共有は、オフラインでも利用できる反面、同時編集ができず、セキュリティ面の課題があります。
- 新しい共有はOneDriveやSharePointに保存され、アクセス権限の細かい設定が可能で、変更履歴も自動で記録されます。
- レガシー共有では設定手順が異なり、ファイルの編集競合やセキュリティリスクが発生しやすいため、利用する場面を選ぶ必要があります。
- 共有設定の選び方は、リアルタイム編集が必要か、オフライン環境かなど、利用シーンに応じて判断しましょう。
- 共有時の注意点として、セキュリティリスクを考慮したアクセス権限の設定や共有リンクの管理が重要です。
参考になれば幸いです。