
エクセルで文字候補が表示されるのを消したい。どうすればいい?



こういった疑問に答えます。
エクセルで文字を入力すると、自動的に過去の入力内容が補完される「オートコンプリート」機能。
便利な一方で、不要な候補が表示されて入力ミスの原因になることもあります。
「余計な補完をなくして、スムーズに入力したい」と考えている人も多いのではないでしょうか?
本記事では、エクセルのオートコンプリートをオフにする方法を分かりやすく解説します。
オプション設定で完全に無効にする方法から、特定のセルやシートだけオートコンプリートをオフにする方法まで詳しく紹介。
さらに、VBAを活用した制御方法や、オートコンプリートを活かしつつ使いやすくする工夫も説明します。
不要な補完を防ぎ、快適にエクセルを使いたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください!
エクセルのオートコンプリートとは?
① エクセルのオートコンプリート機能の概要
エクセルのオートコンプリート機能とは、同じ列内で過去に入力した値を自動的に補完する機能です。
たとえば、A列に「東京」と入力した後、次のセルで「と」と入力すると、「東京」と自動補完されます。
この機能は、入力の手間を省き、作業効率を向上させるために設計されています。
しかし、意図しない補完が行われることで入力ミスが発生したり、手動入力の妨げになったりすることがあります。
そのため、「オートコンプリートを無効にしたい」と考える人も多いでしょう。
本記事では、エクセルのオートコンプリート機能をオフにする方法を詳しく解説します。
② オートコンプリートが有効な場合の動作
オートコンプリートが有効になっていると、エクセルの同じ列内で以前に入力した文字列が候補として表示されます。
この動作には、次のような特徴があります。
- 同じ列に入力されたデータが補完対象になる
- セルの最初の文字を入力すると自動で候補が表示される
- Enterキーを押すと補完が確定する
- 候補が複数ある場合は、Tabキーや矢印キーで選択可能
たとえば、A列に「大阪」「東京」「名古屋」と入力している状態で、A4セルに「と」と入力すると、「東京」と自動補完されます。
便利な機能ですが、入力ミスの原因になることもあるため、オートコンプリートを無効にしたい場合もあるでしょう。
③ オートコンプリートのメリットとデメリット
オートコンプリートの利点と欠点を整理すると、以下のようになります。
メリット
- 入力作業を効率化できる(同じ値を繰り返し入力する際に便利)
- 誤入力の防止に役立つ(過去に入力したデータが再利用できる)
- 作業スピードが向上する(キーボード入力の手間が減る)
デメリット
- 不要な補完が発生する(意図しない単語が入力される)
- 誤入力の原因になることがある(Enterキーで間違った補完を確定させる可能性がある)
- データの一貫性が崩れる場合がある(異なるデータが混在するリスクがある)
オートコンプリートをオフにすると、これらのデメリットを回避できますが、一方で手入力の手間が増える可能性もあります。
次の章では、オートコンプリートをオフにする方法を詳しく解説します。
エクセルのオートコンプリートをオフにする方法
① 設定からオートコンプリートを無効にする手順
エクセルのオートコンプリートは、設定画面から無効にできます。以下の手順でオフにしましょう。




② ショートカットキーでオートコンプリートを一時的に無効にする方法
オートコンプリートを完全に無効にするのではなく、特定のセルで一時的にオフにしたい場合は、ショートカットキーを活用できます。
ショートカットキーでオートコンプリートをキャンセルする
入力中にオートコンプリートの候補が表示されたら、以下のキーを押してください。
- Escキー → 候補を非表示にする
- Backspaceキー → 補完された文字を削除する
- Deleteキー → 補完された部分を消す
この方法を使うと、オートコンプリート機能をオフにせずに、必要なときだけ無効化できます。
③ オートコンプリートをオフにしても候補が出る場合の対処法
オートコンプリートをオフにしても、過去のデータが履歴に残っていると候補が表示されることがあります。
この場合、以下の方法で対処しましょう。
方法1:オートコンプリートの履歴を削除する
- [ファイル] タブ → [オプション] → [詳細設定] を開く
- [編集オプション] 内の「オートコンプリート履歴をクリア」ボタンを押す
方法2:新しいシートを作成する
オートコンプリートの履歴はシートごとに保存されるため、新しいシートを作成すると履歴がリセットされます。
方法3:VBAを使ってオートコンプリートの履歴を削除する
VBAを使って履歴を削除することも可能です。以下のコードを実行すると、オートコンプリートの履歴をクリアできます。
Sub ClearAutoCompleteHistory()
Application.CellDragAndDrop = False
Application.CellDragAndDrop = True
End Sub
このコードは、セルのドラッグアンドドロップ機能を一時的に無効化し、再度有効にすることでオートコンプリートの履歴をリセットします。
VBAの詳細は以下の姉妹サイトをご覧ください。
このように、エクセルのオートコンプリートは設定やショートカットキー、VBAを活用することで簡単にオフにできます。
次の章では、特定のセルやシートだけオートコンプリートを無効にする方法について詳しく解説します。
特定のセルやシートだけオートコンプリートを無効にする方法
① 特定の列やセルのみでオートコンプリートを無効にする設定
エクセルでは、オートコンプリートを完全に無効にするのではなく、特定のセルや列のみオートコンプリートを無効にすることが可能です。
特定の範囲でのみオフにしたい場合は、以下の方法を試してください。
方法1:データの入力規則を利用する
データの入力規則を設定すると、特定のセルに対してオートコンプリートの影響を制限できます。
- オートコンプリートを無効にしたいセル範囲を選択する
- [データ] タブをクリックし、[データの入力規則] を開く
- [入力値の種類] を「リスト」に設定し、空白のリストを指定する
- [OK] を押して適用する
この方法を使うと、指定したセルではオートコンプリートが機能しなくなります。
方法2:セルの書式を変更する
セルの書式を「テキスト」に変更すると、オートコンプリートの影響を受けにくくなります。
- オートコンプリートを無効にしたいセルを選択する
- 右クリックして [セルの書式設定] を開く
- [表示形式] タブで「文字列(テキスト)」を選択する
- [OK] を押して適用する
この設定を適用すると、セルのデータが文字列として扱われるため、オートコンプリートが発生しにくくなります。
② VBAを使ってオートコンプリートを制御する方法
エクセルの設定だけではオートコンプリートを部分的に無効化できない場合、VBA(マクロ)を使うことで柔軟に制御できます。
以下のコードを使えば、特定のシートでのみオートコンプリートをオフにすることができます。
特定のシートでのみオートコンプリートを無効化するVBAコード
Private Sub Worksheet_Activate()
Application.CellDragAndDrop = False ' オートコンプリートを無効化
End Sub
Private Sub Worksheet_Deactivate()
Application.CellDragAndDrop = True ' 他のシートでは有効に戻す
End Sub
このコードをシートのVBAコードに記述すると、そのシートに移動した際にオートコンプリートがオフになり、別のシートに移動すると再び有効になります。
VBAの詳細は以下の姉妹サイトをご覧ください。
③ データ入力規則を活用したオートコンプリートの制限
データの入力規則を活用すると、オートコンプリートの影響を最小限に抑えることができます。
方法1:リスト入力を設定する
リスト入力を設定すると、オートコンプリートの影響を抑えながら、入力の効率を向上できます。
- オートコンプリートを無効にしたいセル範囲を選択する
- [データ] タブ → [データの入力規則] を開く
- [入力値の種類] を「リスト」に設定する
- 入力可能な値をリスト化(例:「東京,大阪,名古屋」など)
- [OK] を押して適用する
この方法を使うと、オートコンプリートではなく、リストの選択肢から値を入力する形になります。
エクセルのオートコンプリートをカスタマイズする方法
① オートコンプリートの候補を制御する方法
エクセルのオートコンプリート機能は、同じ列内の過去の入力データを自動で候補として表示しますが、これを制御する方法もあります。
方法1:リストを限定する
オートコンプリートの候補が多すぎる場合、入力リストを手動で設定すると、適切な候補だけが表示されます。
- 入力候補を別のシートに作成し、名前付き範囲として指定する
- データの入力規則で、リストから選択できるようにする
方法2:不要な履歴を削除する
オートコンプリートの履歴が多すぎると、不要な補完が発生することがあります。履歴を削除することで、補完される候補を整理できます。
- [ファイル] → [オプション] → [詳細設定] を開く
- [オートコンプリート履歴をクリア] をクリックする
- エクセルを再起動する
② オートコンプリートを有効にしたまま効率的に使うコツ
オートコンプリート機能をオフにせずに、効率よく活用するためのコツを紹介します。
- Escキーで補完をキャンセルする
- Enterキーを押す前にTabキーや矢印キーで候補を選択する
- 入力規則を設定し、必要な候補だけを表示する
③ 別の方法で入力補助を活用する(ユーザーフォーム・リストボックス)
オートコンプリート以外の方法で入力補助を活用するには、ユーザーフォームやリストボックスを利用する方法もあります。
ユーザーフォームを利用する方法
- [開発] タブを有効化し、[ユーザーフォーム] を作成する
- [テキストボックス] と [リストボックス] を追加する
- リストボックスに入力候補を設定する
- 選択した値をセルに入力するVBAを作成する
この方法を使うと、オートコンプリートではなく、事前に定めた選択肢からデータを入力できるようになります。
VBAの詳細は以下の姉妹サイトをご覧ください。
エクセルのオートコンプリートをオフにする際の注意点
① オートコンプリートをオフにした場合の影響
オートコンプリートを無効にすると、入力補助機能がなくなるため、手入力の負担が増える可能性があります。
② 他のユーザーと共有する際の考慮点
エクセルファイルを共有する場合、オートコンプリートの設定はユーザーごとに異なるため、他の人がオートコンプリートを必要としている場合には、設定の変更が影響を与える可能性があります。
そのため、エクセルの設定を変更する前に、共有する相手と事前に確認しておくとよいでしょう。
③ 再度オートコンプリートを有効にする方法
オートコンプリートをオフにした後、再度有効にするのは簡単です。以下の手順で設定を元に戻せます。
- [ファイル] → [オプション] → [詳細設定] を開く
- [オートコンプリートを使用する] にチェックを入れる
- [OK] を押して適用する
この操作を行うことで、オートコンプリート機能が再び有効になり、入力時に候補が自動で表示されるようになります。
まとめ|エクセルのオートコンプリートをオフにする方法
エクセルのオートコンプリート機能は、入力作業を効率化する便利な機能ですが、不要な補完が発生すると作業の妨げになることもあります。
本記事では、オートコンプリートをオフにする方法や、部分的に無効化する方法について詳しく解説しました。
本記事のポイント
- オートコンプリートは同じ列内で過去の入力を自動補完する機能
- エクセルのオプション設定からオートコンプリートをオフにできる
- ショートカットキー(Escキーなど)を使えば一時的に無効化できる
- 特定のセルやシートだけ無効にする場合は、データ入力規則やVBAを活用する
- リスト入力やユーザーフォームを利用すれば、オートコンプリートの代替手段として使える
オートコンプリート機能を無効にすると、意図しない補完を防げますが、手入力の負担が増える可能性もあります。
状況に応じて、完全にオフにするか、一部のみ無効にするかを選択するとよいでしょう。
さらに詳しい情報は、Microsoftの公式サポートページなどを参考にしてください。